毎年冬になると「かに」が食べたくなり、ふるさと納税で「ずわいがに」2杯セットを申し込み、妻と1杯ずつ食べていました。

 オスの「ずわいがに」は地域によって呼び名が異なり、鳥取県では「松葉(マツバ)がに」、兵庫県では「津居山(ツイヤマ)がに」、福井県では「越前(エチゼン)がに」、石川県では「加能(カノウ)がに」などと呼ばれているそうです。同じ日本海に生息している「ずわいがに」ですが、水揚げされる港によって呼び名が決まっているようです。

 私が毎年寄付していた自治体では、以前は寄附金額2万3千円程度で「ずわいがに」2杯(足が1本欠けていたりするお努め品)が手に入っていたのですが、ここ数年「ずわいがに」の値段が上がり、4万5千円以上寄付しないと2杯の「ずわいがに」は手に入らなくなっています。
 そのため、ここ2年はふるさと納税で「ずわいがに」を申し込むことは諦めていました。

 しかし、いくら待っても「ずわいがに」の値段は高止まりのままなので、妻の希望を尊重し、二人で温泉宿へかに料理を食べに行くことにしました。温泉宿として選んだのは、まだ行ったことがなかった山陰の名湯「三朝温泉」(ミササ オンセン)です。
 三朝温泉は、鳥取県東伯郡三朝町にある温泉で、日本百景の温泉カテゴリーに選ばれています。日本最大規模のラドン温泉地域で、泉温摂氏34度以上のラドン温泉は世界的にも希少な放射能泉です。

 温泉宿に行って「松葉がに」を食べるだけではもったいないので、車で近くの景勝地に出かけることにしました。行先は、社会科の教科書にも写真が出ている「三徳山三佛寺投入堂」(ミトクサン サンブツジ ナゲイレドウ)です。
 三徳山三佛寺は標高900メートルの三徳山に境内を持つ山岳寺院であり、その奥院である投入堂は垂直に切り立った絶壁の窪みに建てられた他に類を見ない建築物で、国宝に指定されています。

 投入堂は垂直な崖にあるので、そこに行くことはできないのですが、三徳山三佛寺の境内から厳しい山道を登れば投入堂を間近で見ることができる場所に行くことができるそうです。ただし、冬場は雪に閉ざされるため、登山はできないと親切なお寺の方が教えてくれました。
 当日は節分祭が催されており、大勢の地元の方がお堂の中に入って、天台宗のお経を聞いておられました。テントの店も出ていたので、私は記念に「投入堂ひのきのお守り」というストラップ付きのお守りを購入しました。

 ふもとの車道には、投入堂を遠望できる「三徳山遙拝所」(ミトクサン ヨウハイジョ)があり、備え付けの望遠鏡で、肉眼では豆粒ほどにしか見えない投入堂を拡大して見ることができます。通常景勝地の望遠鏡は有料の時間制となっているケースが多いと思いますが、ここの望遠鏡は比較的新しいものにもかかわらず無料であり、他には人がいなかったので、投入堂の詳細を十分観察することができました。

 さて、夕方ラドン温泉の露天風呂に入ったあと、18時から21時まで3時間かけて、お酒を飲みながら指定された場所でかに料理を堪能しました。
 予約時に選んだメニューは本ずわいがに2杯相当を使用した「かにづくしのコース」で、かに刺し、かにの陶板焼き、かにの天麩羅、本ずわいがに姿盛り、かにすき鍋、かに雑炊などが次々と出てきました。特に、「かに刺し」や「かにの天麩羅」は普段はなかなか食べられないので、久しぶりに食べることができて満足しました。

 本ずわいがに姿盛りは、茹でたかにを丸ごと一杯食べるのですが、ご存じのように食べるには大変な作業を伴いますので、かにの腹の部分は最後に残しておいたところ、もったいなかったのですが、満腹になったため半分残してしまいました。
 かに料理を運んでくれた女性から、お客さまから「1年分のかにを食べました。」とよく言われますと聞かされ、納得しました。
 メニューには、本ずわいがに3杯相当使用のコースもあり、それが一番人気ということでしたが、私は2杯相当のコースでも少し残してしまったので、こちらのコースを選んでいたら大変なことになっていたと思った次第です。

 宿泊した温泉宿は比較的規模が大きいところだったので、1階には鳥取県のお土産をずらりと揃えたお土産コーナーがありました。翌朝はそこで、鳥取らっきょ、かにせんべいなどのお土産を買って帰りました。
 久しぶりの家族宿泊旅行だったのですが、こういうグルメ旅もたまには良いなと感じましたので、また美味しいものを食べるためにどこかに足を延ばしたいと思っています。

 

 

 

  

著者

還暦おじさん

サラリーマンとして55歳の誕生日を迎えた2018年に関連団体に転籍し、今年(2023年)還暦を迎えました。転籍退職金などを元手にネットで情報収集しながら資産を楽しく運用しています。

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