私は還暦を過ぎましたが、両親は今も健在です。しかし、両親は90歳が近づくと流石に二人だけで暮らすのは難しくなってきたため、2021年12月に有料老人ホームに入居しました。このため、現在私の実家には誰も住んでいません。
実家は、私の居住地から車で1時間位のところにあり、田舎ですが、一応市役所の近くにある庭付き戸建住宅です。両親が暮らしていた頃は、私が休日に時々様子を見にいっていましたが、人間は歳を取るとモノが捨てられなくなるのか、実家には徐々にモノが増えているように感じられました。
父親が乗っていた車はバンパーなどが傷だらけになっており、運転に不安があるため、以前から私が運転免許証の返納をするように勧めていたところ、2021年6月に運転免許証を返納し、乗っていた小型車を売却しました。運転免許証を返納すると、運転経歴証明書が発行してもらえましたので、身分証明書として運転免許証と同様に利用できています。
その後は、母親が運転する軽自動車で食料品などの買い物に夫婦で出掛けていました。母親は趣味の活動のため、車で一人で出掛けるなど活発に行動していたのですが、帰りに寄った近所の大型スーパーで自分の車をどこに駐車したかを忘れてしまい、父親を電話で呼び出し一緒に自分の車を探してもらうことがあるほど記憶力が低下してきていました。
実家では、両親が70歳を過ぎたあたりからモノが増えるペースが加速したように思います。とにかく明らかに不用と思えるモノ(故障した家電、用済書類や古封筒、ブリタニカ百科事典などおそらく一度も開いたことがない本、何も植えていない植木鉢など)でも捨てないで持っておこうとするのです。私は何度も使わないものは捨てたらどうかと言いましたが、まだ使うかもしれないと言い、決して自ら処分することはありませんでした。
そうした中で、2021年の秋になると、父親が「自分では灯油が運べなくなったし、体調も考えると、今年の冬をこの家で乗り切る自信がない。」と言い出したため、以前から考えていた私の居住地の近くにある老人ホームに両親を見学に連れて行きました。
父親はその老人ホームが気に入ったようで、すぐにでも入居したい様子でしたが、母親の方はまだ自宅で趣味の活動を続けたいと言い入居する気はありませんでした。しかし、父親が先に老人ホームに入居すると、母親の記憶力の状態ではすぐに詐欺に会うのは目に見えているため、時間を掛けて説得し、12月から二人で一緒に老人ホームに入居することになりました。
その老人ホームの部屋はすべて個室だったのですが、たまたま2部屋連続で空いていたので、隣同士の部屋に入居することが出来ました。
両親がいなくなり、改めて空き家になった実家を隅々まで調べてみると、事前の予想どおり各部屋に大量のモノが溢れていました。これを私が片付ける(処分する)ためには、気の遠くなるような作業が必要と思いましたが、そのまま放置しておくと気力・体力が衰えて、片づけることすら出来なくなるのではと考え、妻の協力を得て、不用品(とは言ってもほとんどのモノが該当しますが)を一気に片づけることにしました。