企業型DCからの移管資産に加え、確定給付企業年金(DB)からの移管資産もiDeCoで運用することになったわけですが、DBの移換資産額は企業型DCの移管資産額の4倍近いものでしたので、結局iDeCo口座ではそれなりに大きな額の資産を運用することになりました。
このため、性質の異なる様々な商品からなるポートフォリオとすることと、時間をかけて少しずつ変動型の商品を購入することにより、出来るだけリスクを軽減することとしました。
具体的には、これまでの3商品に、運用成績の良い外国株式の割合を高める目的で「iFree NYダウ・インデックス」(国際株式)を追加し、新たに債券として「野村外国債券インデックスファンドDC」および「三菱UFJ国内債券インデックスファンドDC」、新たにリートとして「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」および「DCニッセイJ-REITインデックスファンドA」を購入することとし、計8種類の商品で運用することにしました。ただし、当初は資産額の3分の1は元本確保型の商品(定期預金)とし、時間をかけて8種類の商品へスイッチングしていきました。
定期預金からのスイッチングが完了しないうちに、悩ましい出来事が発生しました。SBI証券が、「「確定拠出年金法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第66号)が2018年5月に施行されているため、iDeCoで運用できる商品を半分程度に削減する。」と発表したのです。幸い私が選択していた商品はいずれも除外対象ではありませんでしたが、さらにこの商品数削減を契機として、新たなiDeCoのプラン(「セレクトプラン」、従前のプランは「オリジナルプラン」と呼ばれることになりました)を始めるというのです。
SBI証券iDeCoセレクトプランは、「コストや運用実績等を総合的に勘案し、お客さまの多様な投資ニーズにお応えすべくインデックスファンドとアクティブファンドをバランスよく「セレクト」したプランとなっております。 信託報酬が低い投資信託を多くそろえているのも特徴です。」と謳われており、新鋭の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」など、信託報酬が業界最安の「eMAXIS Slim シリーズ」がラインナップされているため、私にとって大変魅力的なものでした。
希望者はオリジナルプランからセレクトプランへ移行できることになっていましたが、移行するためには運用中の商品が一旦すべて売却されることになるため、セレクトプランへ移行すると、新たに商品を購入してポートフォリオを一から作り直さなければなりません。しかも、移行には一定の期間を要するため、その間に大きな値動きがあれば資産が思わぬ影響を受けるおそれもあります。
セレクトプランへ移行したいのは山々でしたが、商品を買いなおす手間は許容できるとしても、移行期間中の基準価額変動リスクにどう対応するかについて逡巡しました。結局予めオリジナルプランの資産の大半を定期預金にスイッチングしておけば、基準価額変動リスクを軽減できるとの考えに至り、今度は運用中の商品を時間をかけてコツコツ定期預金にスイッチングしていくことにしました。
2019年3月、セレクトプランへの移行手続きを開始(SBI証券へ「プラン変更届」を提出)しました。移行手続き開始後も定期預金へのスイッチンはしばらく継続し、資産全体の3分の2程度が定期預金になったところで、移行に伴うリスク軽減対策としてのスイッチングを終了しました。
2019年6月、無事セレクトプランへの移行が完了しました。移行の際には、予めセレクトプランへの移換金の配分割合(移換に伴いどの商品をどれだけ購入するか)を決めておく必要がありましたが、私は移換後に時間をかけて様々な商品を購入し、自分好みのポートフォリオを作っていきたいと考えていましたので、全体の7割程度を定期預金に割り当ててセレクトプランの運用をスタートすることにしました。