今年も確定申告の時期が近づいて来ました。

 サラリーマンの場合、勤務先で年末調整が行われるため、確定申告している人は多くないと思いますが、私は、住宅ローンを組んで自宅を購入した2004年分について税務署に出向き苦労しながらやっとの思いで確定申告を済ませて以来、所得税の還付を受けるために毎年確定申告しています。
 確定申告の受付期間は2月中旬から3月中旬ですが、税金が還付される場合の確定申告(正式には「還付申告」と言います)は年明け以降いつでも受け付けてもらえますので、確定申告の作業はこの時期のルーチンになっています。 

 2008年分からは、e-Tax(国税に関する各種の手続について、インターネット等を利用して電子的に手続が行えるシステム)を利用するようになったので、税務署に出向いたり、書類を郵送したりする必要がなくなり、自宅のパソコンで確定申告(還付申告)の手続きのすべてを完了させることができるようになりました。
 e-Taxのシステムは、新年を迎えると夜間や休日でも稼働するようになるので、自宅で時間がある時にシステムに入力し、途中まで入力した内容を逐次保存しながら、細切れ時間でも作業が出来るというところが、特に気に入っています。

 そもそも「年末調整」とは、給与等の支払者が給与所得者に対してその年最後の給与等を支払う際に、その1年間(1月1日〜12月31日)の給与等の支払いの都度源泉徴収をした所得税の合計額と、その1年間の給与等の総額に対して納めなければならない税額の合計額とを比較して、その過不足の精算をする制度です。
 年末調整では、勤務先に生命保険や地震保険の保険料支払証明書、iDeCoの掛金拠出証明書(正式名称は「小規模企業共済等掛金払込証明書」です。)などを提出すると、それぞれ所得控除が適用され、12月分の給料の支給と同時に所得税の還付を受けることができます。

 年末調整では控除してもらないが確定申告すれば控除してもらえるものとして、住宅取得のためのローンの年末残高の一定割合(2年目以降は年末調整で対応可能)、10万円以上の医療費(家族のものも含む)、ふるさと納税の寄附金(自治体数が5団体以内の場合はワンストップ特例制度の利用により確定申告は不要)などがあります。
 また、複数の証券会社の株取引の利益と損失を相殺する場合や米国株の配当などについて外国税額控除を受ける場合(いずれもNISA口座を除く)なども確定申告により所得税の還付を受けることができます。

 このように、サラリーマンも確定申告すれば、年により金額の多寡(私の場合は数万円~数十万円)はあるにしても、年末調整とは別に所得税の還付を受けることができるのですが、私の友人・知人(サラリーマン)の中には、確定申告をしている人はほとんどいないばかりか、何とかして確定申告をしないで済むように行動している(例えば、ふるさと納税は自治体数を5団体以内に制限する)人が多いことに驚かされます。

 そうした人たちに確定申告を避けている理由を聞いてみると、一様に「面倒なことはやりたくない。」や「やり方がわからない。」などという返事があります。
 確かに、私が2004年に初めて確定申告をした時には、税務署の職員に次から次へと(おそらく間抜けな内容の)質問をして申告書の書き方を教えてもらい、苦労しながらやっとの思いで申告書を作成し提出した記憶がありますし、その後数年間は内容をよく理解しないまま前年踏襲でなんとか申告を済ませていたように記憶しています。

 しかし、確定申告するたびにインターネットで情報収集しながら、所得税などに関する知識を少しずつ蓄積していきました。今では毎年正月が過ぎた頃から準備を始め、1月中旬にはe-Taxで確定申告を完了させています。その結果、早い年には1月中に還付金が銀行口座に振り込まれるようになっています。

 今頃になって気が付いたのですが、確定申告を始めた当初苦労した理由は、確定申告の手続き自体が難しいのではなく、そもそも所得税の仕組みを体系的に理解していなかったので、何のために何を書いて(システムに入力して)いるのかがわからなかったからだと思います。

 税務署は、毎年e-Taxによる確定申告が如何に便利で簡単であるかをアピールしているようですが、簡単というのはシステムの操作方法のことであり、そもそも所得税の仕組みを理解していない人がe-Taxにログインして確定申告を試みたとしても、自分の力だけでは行き詰まってしまうのではないかと考えています。

 

 

著者

還暦おじさん

サラリーマンとして55歳の誕生日を迎えた2018年に関連団体に転籍し、今年(2023年)還暦を迎えました。転籍退職金などを元手にネットで情報収集しながら資産を楽しく運用しています。

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