確定拠出年金は、拠出された掛金とその運用益との合計をもとに、将来の給付額が決定する制度です。掛金を事業主が拠出する企業型DC(企業型確定拠出年金)と、加入者自身が拠出するiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)があります。
企業型DCは、勤務先が制度を導入している場合のみ利用でき、勤務先が揃えた商品(投資信託や定期預金)の中から加入者自身が投資する商品を選びます。掛金は事業主が拠出しますが、年金規約に定められている場合は加入者も事業主の拠出額を超えない範囲で拠出すること(マッチング拠出)ができます。
マッチング拠出を行うと、年末調整で年間のマッチング拠出額を所得から控除できるため、所得税や翌年の住民税を軽減することができます。このため、勤務先でマッチング拠出が可能な場合は上限額まで拠出するのが得策です。
私が勤務していた会社では、2004年に従前の確定給付年金(DB)の一部を移行する形で企業型DCの制度が始まったため、企業型DCの毎月の拠出額は少なめでしたので、マッチング拠出は上限額としていました。
企業型DCの制度開始の経緯を踏まえ、元本確保に近い商品を選ぶ同僚が多い中、私は、長期の積立運用となることも考慮し、拠出額の全額を株式投資型の商品へ投資してみることにしました。具体的には「DC・ダイワ・トピックス・インデックス」と「DCダイワ外国株式インデックス」に、それぞれ拠出額の50%ずつを割り当てました。
2008年のリーマンショックによって一時大きく元本を毀損する(▲30%超)ことになりましたが、仕事が非常に忙しい時期が続いていたこともあって、年に一度送られてくる「確定拠出年金・残高のお知らせ」を見て気にはなっていましたが、何もせずそのまま放置していました。
その後、2013年頃から両商品とも基準価額が回復をはじめ、転籍によって企業型DCが強制終了となった2018年には、基準価額が、リーマンショック後に比べ、トッピクスで2倍程度、外国株式で4倍程度になっており、評価額としては拠出額の2倍近くになっていました。
こうした偶然の(おそらく幸運な)経験を通じて、金融資産の運用においては、株式への長期(積立)投資が有効であり、中でも外国株式(米国株の比率が大きい)への投資が効率が良いということを学習することになりました。